今まで、ずっと考えてた。
自分の島唄って何かって。
ステージも極力おさえて
自分の世界閉じこもって
三線弾きながら、ずっと考えてた。
俺は、きっと牧先生みたいに本当の島唄を唄えない。
どれだけ島唄、三線が上手くなったって
沖縄に住んだことのない、大阪人の俺は
その唄の気持ちまでは理解できないから。
どんだけ頑張ったって、所詮はニセモノ。
俺は島唄がわからない。
だから俺は、「島唄がわからない者の島唄」を唄いたい。
大阪に住む、俺みたいな世代の人間は、唄の意味も、何て唄ってるかもわからない。
けど、俺はそんな人をお客さんとして
唄を唄っていくから。
そんな気持ちに寄り添った立場で
島唄を提供したい。
今、目の前で唄った島唄は
ワケわかんない言葉だけど
実は、こういう意味なんだよ。
こんな背景が、こんな物語が、こんな想いが込められているんだよ。
実はこんなに熱い唄なんだよ。
こんなに切ない恋の唄なんだよ。
意外にステキでしょ?
自分も初めて聴いたときびっくりしてん(笑)。
……そんなうたさーになりたい。
邪道やと思う。
先生の島唄には逆らってると思う。
けど、俺に先生の島唄は唄えない。
それが出身も世代も違う俺が唄える島唄やと思うから。
昨日、その気持ちを先生に話せた。
先生は、俺の島唄に賛成してくれて。
だから、やっと俺が唄う島唄が見つかったって
胸はって言えるかも(笑)
記:カズマ
[7回]
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